カルメン 第一幕【あらすじ】
タバコ工場前広場
スペインの明るい日差しの中で行き交う人々。
その中で、人探しをしている素振りの娘がいる。
ミカエラだ。
彼女はドン・ホセを探して遥々ナバからやって来た。
ドン・ホセの同僚のように見える、兵隊の制服を着た男に声をかけると、
そろそろ見張りが交代になって、
ドン・ホセの当番になるという。
彼を待つ間、お茶でもどうか?と、いかにもラテンの男らしく口説くが、
ミカエラは大真面目に断る。
見張りの兵隊の交代のパーフォマンスは、
いつの時代も子供たちの憧れの的だ。
ここセビリアでも、行進する兵隊の後ろを子供たちがくっついて歩く。
交代で現れたドン・ホセは、ミカエラが来ていたことを聞かされる。
ミカエラはドン・ホセの許嫁であった。
昼休みを知らせる鐘が鳴る。
男たちが広場へ集まる理由はただ一つ。
タバコ工場で働く女たちが昼休みで広場に出てくるからだ。
多くはジプシーの女で、男たちに口説かれるのを楽しむ。
タバコを燻らす女たちの中で、一際目を引くのが
カルメンシータ。
彼女は「恋は野の鳥、ジプシーの子。自由を愛するの!」と歌い、
私は自由、言い寄ってくる男たちに興味はないの!
と男たちを次々とあしらっていく。
その奔放さは、余計にカルメンを魅力的に見せ、
男たちは益々お近づきになろうとカルメンに言い寄る。
そんな中、1人黙々と鎖を作るドン・ホセ。
彼に目を奪われたカルメンは持ち前の色気で猛烈にアピールするが、ちっとも振り向いてはくれない。
もういいわ!とばかりにドン・ホセに投げつけた花は
美しく香り強く、カルメンを連想させ
魔女め、と警戒しつつも、胸ポケットに収めてしまうホセであった。
ミカエラは、ドン・ホセを発見。
故郷のホセの母から預かってきた手紙を渡し、
「愛する息子。体に気をつけて、帰りを待ってます」と伝言も伝える。
故郷と母への懐かしさが心に溢れて、ミカエラへのいとおしさを感じたドン・ホセは、改めて愛を誓う。
そこへ大混乱した工場の女たちが広場へなだれ込んでくる。
カルメンが同僚に喧嘩を吹っ掛けて怪我をさせたというのだ。
反省の色のないカルメンは兵長に色仕掛けで、誤魔化して逃れようとするが失敗。
結局、牢獄行きを言い渡される。
連行を任されたドン・ホセ。
まだ逃亡もドン・ホセも諦めていないカルメンは、ここぞとばかりに誘惑する。
「週末に一緒に酒場に行く恋人を募集中なの、第一候補は一等兵でも伍長さんでもなく、あなたよ」
ついに心を動かされたドン・ホセはカルメンを逃してしまう
続く。。。